くだらぬことに

なみだする

そんな晩が

あってもいい

くだらぬことは

たとえばせみの抜け殻だったり。

それを見ていると

じぶんの抜け殻を見ているようだ。

そもそも人々は

笑いさざめき

大人も子供も夫婦も

いるが

皆、抜け殻のようで

じぶんばかりが

殻を脱いで

なまのまま、生きているようで

ものすごく、

ああ

ものすごく・・・

さざめくのをやめてよというと

世界が簡単にとおのく

なみだが

いっぱいになって

じぶんばかりが

目ばかり出していて

せみの抜け殻

たまってばかしで

蒲団のように盛り上がり

そこでようよう

寝ている

暑苦しい晩だ